A01-6-25 公募研究

内分泌療法耐性乳癌克服に向けた新規エストロゲンシグナル制御のシステム的統合理解

研究室ホームページ http://www.genome.tokushima-u.ac.jp/dgm/

我々は、これまでに乳癌の網羅的遺伝子発現解析を通じて新規ER活性化制御分子ERAP1を同定し、その詳細な機能解析より、ER陽性乳癌細胞にてERAP1が細胞質内でER活性化抑制因子PHB2 (prohibitin2)と結合することにより、その抑制機能を阻害してERの恒常的活性化を導くこと、さらにERAP1-PHB2結合阻害ペプチドの同定により、ER陽性乳癌細胞m、特にタモキシフェン耐性乳がん細胞へ添加することで、PHB2のER活性抑制機能を誘導し、ERのゲノム的および非ゲノム的活性化経路、ERリン酸化の抑制を通じた細胞増殖抑制効果を引き起こすことを証明している(左図)。本研究では、網羅的遺伝子発現解析およびプロテオーム解析を行い、動的数理モデリングに基づく大規模データ解析技術により、タモキシフェン耐性依乳癌の分子病態のシステム的統合理解を図り、治療法の開発を目指す(右図)。