システムがん

システム的統合理解に基づくがんの先端的診断、治療、予防法の開発

文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究 (複合領域:4201)
研究期間:平成22年度~平成26年度
[English]

 

A01-7-25 公募研究

がんのストレス応答と治療抵抗性のシステムズ解析

  • 研究代表者: 北嶋 繁孝(東京医科歯科大学 難治疾患研究所 教授)
  • 連携研究者: 川内 潤也(東京医科歯科大学 難治疾患研究所 助教 )       
  • 連携研究者: 谷本 幸介(東京医科歯科大学 難治疾患研究所 助教 )

研究室ホームページ http://www.tmd.ac.jp/mri/bgen/open.html

CREB/ATFファミリー転写因子ATF3は、p53の標的遺伝子であり細胞のストレスセンサーのハブとなっている。本研究では、難治がんのストレス応答と治療抵抗性のコアネットワークを明らかにし、治療戦略の新しい基盤を提示する。がん細胞は、正常細胞が増殖停止や細胞死を起こす環境にも適応しており、正常細胞とは異なったストレス応答ネットワークを有している。このような特性が、難治がんの治療抵抗性の基盤となっていることから、ストレス応答における転写因子の発現や標的遺伝子の制御を網羅的に理解することは重要である。 我々は、これまでに様々な細胞ストレスで誘導されるATF3の下流標的遺伝子の網羅的探索を行い、ATF3を含む約9つの転写因子から成るネットワークが数千単位の遺伝子発現を制御することを明らかにし(GEO no: GSE18457)、平成23、24年度の「システムがん」の公募研究において、p53/ATF3遺伝子改変MEFのDNA傷害ストレス応答のシステムズ解析を東大宮野研との共同研究で進めている。これらの研究成果を踏まえ、本研究では、遺伝子改変p53/ATF3ノックアウトMEFのストレス応答のmRNA、microRNA発現制御ネットワークの構築を完成し、p53/ATF3軸を切り口としたがん細胞と正常細胞のストレス制御ネットワークの特性を明らかにする。その結果、正常細胞と難治がんのストレス応答の違いに基づく新規がん治療戦略の基盤を提示する。

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